逆抱負

先日地下鉄に乗っていたら、地下鉄関連の工事か看板のかけかえか何かの業務に携わる方々が、色々な工具や器材を持って数人乗ってきた。

入口近くに立っていて客が乗降するたびに道具類の入った大き目のバッグを邪魔にならないようずらしたりしている。

そのうちのひとりが、俺たち、座ってる方がよっぽど迷惑にならないよなあ、と言い、仲間の人たちもそうだよね、と、とほほという感じて笑っていた。確かに車内はすいているのだから、道具を足の前において座ってもらった方が、キマリはともかく、今この状況においては、明らかにいい。

別の日、都内のある美術館の二階で自動販売機のお茶を買い、その近くにある椅子は固そうで嫌だったので10歩程展示場の入り口に向かって歩いたところにあるソファに持っていって飲んでいたら、年配の守衛さんが近づいて来て、あの、こちらではお飲み物はお持ち込み頂けませんので、と丁寧な口調で申し訳なさそうに言われた。ふ~ん、と思い「なぜですか?」、と聞くと彼の返事は「そういう風に決まってますので」だった。

その答えはちょっとこちらの質問の主旨とは違ったので「えー、なぜそういう風に決まっているのですか。」と別に感じ悪そうにではなく純粋に論理的な興味を持って聞いてみたら、守衛さんは少々どぎまぎして、「そういうルールなんです。」と重ねて質問に対する答えになってない返事をした。

「んー、聞いといた方がいいですよ、理由。」と笑いながら言う私の前で、守衛のおじさんのどぎまぎは頂点に達した。気の毒なので私は固い椅子の方に移動。

という同じような事例を二件たて続けに経験したので、記録しておく。

今「逆抱負」という言葉を思いついた(新年なので抱負づいている)。できることならやらないでおこうという事柄であり、その一つを「思考停止」にしようと思う。(あー、やっぱり抱負が抽象的!)

守衛さんが(似たような役割で)登場している別の過去記事:

穴に落ちた話

 

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