穴に落ちた話

自分に対してはともかく、あまり人に対して怒るということがない性格だが、ごくごく稀に怒ることがある。

かなり昔大学生だった頃に、大雨の日があって、大学構内が水浸しになっていた。膝近くまで濁った水がたまっているので、何も見えない。そろそろ歩いていたら急に穴に片足が落ちて、腿の上の方までびしょぬれになった。泥水の下の排水溝の蓋が、開いていたのである。

傍に立っていた守衛に、「なぜ蓋を開けているんですか。危ないじゃないですか!」と言うと、「水を流すためですよ。」と彼は言った。このときはさすがに腹がたった。

それが、真剣に怒った今のところ最後の記憶である。

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