ラウシェンバーグの立体を集めた作品集「GLUTS」を、恵比寿のナディッフで買う。
ある美術家の方が、「みんな自分のことで忙しいんだから、後ろから羽交い絞めにして道に引き倒すくらい強くないと人の作品なんて足をとめて見ないよ」、とおっしゃっていたが、工業廃棄物なんかを使ったラウシェンバーグの立体は、写真でも見るたびに背骨にどかんとエネルギーがチャージされる感じでものすごいつかみがある。
汚れた道路標識や、元がなんだったかもわからない歪んだ金属板すらすごくきれいに構成されうるのは、美は結局は関係性で、単独で美しいものも醜いものもそうそうないのかもしれないということを思い出させると同時に、それ位美の懐って深いんだなあ、ということも感じさせてくれる。