画面など、つい「ここをどうしようか」と思って見てしまうが、全体をどうするか、そしてその全体との関係において部分の攻めざまを考える方がワークする。
「自然は部分には働かない」、とアレクサンダー・テクニークという身体技法を創始したF.M.アレクサンダーという人が言ったと聞いた。全体から部分を切り離して扱っても、その部分は多かれ少なかれ機能不全に陥るということだと思う。
なぜ今これを書いているかと言うと、先日絵を描いていてふと、今全体が見えている、その一瞬において、個々の部分も全体とつながりをもった一部として感じられている、と認識したのだ。全体を見るということはかなり基本的なことで、そんなことはずーっと昔から知ってはいたし努力もしてきたけれど、やっている(Doing)、のではなくそうなっている(Being)、と感じたのは、その時がなぜか初めてだったのである。