その作家は非常に力がある人で自分は美しい展示場所で100号ぐらいの絵がばんばん展示されているのをずっと見ていった。
気に入ったのは見かけが固定化しておらず非常に多様なこと(抽象である)。マイクロコンセプトとか技を狭く先鋭化するのもいいが、作家の一貫性を提示しつつ、これ位物理的に同じような見かけや色彩にこだわらない作家は珍しく感じる。最後に数点小品があって、その中にも大作で確認したエネルギーの反射を十分感じたので購入。自分の資力と住居環境ではさすがにジャンプしかねるが、大作も比較的リーズナブルであると思われる。
この作家は門田光雅氏。展示場所は先般もアートフェアをやっていたパークホテル東京(汐留)で、記事が遅ればせになり門田氏の展示は終了済だが内容等詳細はこちら。
もう一つの点として、美術作品を見る場所としてのこのホテルは秀逸だ。アートのプロジェクトも継続して行われている。ホワイトキューブもいいがマホガニー色やグレーのしっとりとした空間で廊下のガラス貼りの展示スペースの奥にある近づきがたい良品を見ていると、こうした場所もギャラリー同様まさに絵画を見る場所だ、と感じるのである。