「生誕100年ジャクソン・ポロック展」(東京国立近代美術館)。ドリッピング以前の作品も充実。でもドリッピングでない初期作品で具象イメージがあっても、見る目は画面の端々まで等価・等速で動く。だから自分には、構造としてこれらが別の絵とは感じられない。一点に留まらず、動き続けるから目がとてもラク。視覚の深度はドリッピングの方が複雑性がある。眼医者で視力を測る前にスライドみたいなのを覗く機械があるが、あれを見ているみたい。
色彩については、何十年も前の古いカラー図版があせたような色味で(晩期は黒だったりむしろきれいになるけど)、どう鑑賞したものかあまりわからない。家庭用塗料を結構使っているので若干劣化しているのかと思った。でも油彩だって同じだから、こういう風に構築されている色感なのだ。
改装前のアトリエの写真は板壁がすきまだらけ。冬はすんごく寒かったはず。