青山のRat Hole Galleryで、ニューヨークの著名な女性作家、ロニ・ホーン展見る。
ドローイングの中の黒い細い線、それがものを貼り合わせた境界面にたまたま現われているものなのか、描かれているのか、じーっと見てもわからない。アルミの棒に白いプラスチックを流し込んで作られている文章は19世紀アメリカの隠遁詩人エミリー・ディキンソン。けっしてかしましいいでたちではないのに、これらの作品はすごくつかみがあり、目と脳がいつまでもそのまわりを徘徊する。
自分は何を見ているのか、を考える展示。それを考えさせられるのは、何の目的をもってかは隠されているものの、作者がある的に向けてそれを撃とうとし、そして見事に撃ち抜いている、ということが感じとれるからである。
ちなみに、「目的」はプレスリリースの文面なんかにも表明されていて、この展示のそれも素敵で興味深いものであったが、でもそこからはみだす部分は必ずある。
ロニ・ホーン展 Rat Hole Gallery