友達が飼っていたシベリアンハスキーは「クララ」という名前で、彼女の別れただんなさんは「金之助」だった。
彼らは友達が仕事上で関係していた家でつがいで飼われていたが、クララが金之助のごはんを横取りしたり、いぢめたりして金之助が痩せてきたので、愛犬家の知人が彼女をひきとったのである。
「クララ」には「光り輝く」という意味がある。だから「金之助」とは相性がよかったはずだが。光りすぎか。
また、以前習っていたフラワーアレンジメントの先生のダルマシアンは、理由は定かでないが、「うなぎ」という名前で、その上一度改名しており、前は「社長」だった(飼い主が花屋を経営していたからかもしれない)。
ちなみにうちのチワワは「千代」。チワワの「ち」からの連想と長生きしてほしかったのでつけたつもりでいたが、知り合いが、私の住んでいる一帯はかつて千代が崎と呼ばれ、南北朝時代の武将新田義興の侍女千代が主の死を知って身投げした池があったことが由来だ、と教えてくれた。
千代という名のオーラがまだ空中にただよっていたかしら、とスピリチュアルの人なら考えるかもだが、おもしろい偶然。
新しく飼う犬の名前を考えるのは、まちがいなく世の中の楽しいことがらの上位に含まれるだろう。
昔何かの雑誌で読んだ好きな言葉。ブリーダーだか、犬関連の仕事をしている外国の女性が言っていた。
「よく犬は天国に入れますか、と聞かれるのです。私はもちろんと答えます。もし犬がいなかったら、そこは天国とは言えませんから。」