世間とバケツ

自分は電車のなかでぼーっとしていた(特に珍しいことでなく大抵の場合そうだ)。ふとホームをみたら最寄りの駅だったのであわてて席を立ち、締まりかけのドアから飛び出ようと思った直前、近くのおじさまが「何か落としましたよー」と叫び、膝の上に置いていた折り畳み傘だと思って半ば降りられないことをあきらめつつ座っていたところに急いで戻ろうとしたら、別のおじさまが満面の笑みとともにすばやく駆け寄ってきて「はい」とその傘を渡してくれたのである。

極めてスムーズなバケツリレー的展開に、人の人に対する親切の過剰なまでの度合いに感動をおぼえた。

こういうことが日頃頻繁に展開していたならば、戦争などが起こるひまはむしろ全然ないのではないかと思う。

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