かぶりの恐怖

品川駅の売店にすごい飾りが置いてあった。40センチくらいのクリスマスツリーが「くま」をかぶっている「しか」(トナカイかも)をかぶっている。説明がすごくむずかしいが、ツリーの上の方にくまの顔のぬいぐるみをかぶせてあるのだけど、よく見ると円っこいくまの耳の下の方に穴があいていて、そこからしかの角がにょきっと飛び出しているのだ。だから、まるでツリーの顔のようにみえるくまはその下にみえざるしかの顔を隠しており、しかもそのしか自体がツリーにかぶられている訳で、まねきねこダックなんかの場合と違って、かぶっているツリーはそもそもいわゆる「動物」ですらないというこの二重三重のホラーな状況・・・・。

それにしてもどういう訳か、こういう不気味な飾りを見ると「日本的だなあ」と思う。携帯にいろんなマスコット付ストラップを10個ほどもぶらさげて、場合によっては携帯よりでっかくまた重そうになってるのを見たり、丁度今日目撃したところでは、自動改札機で(またも)「くま」型のふかふかのぬいぐるみみたいなものをあてている人(中にSUICAが収納されてるのだ)、それから背中に「くま」の(またか・・)格好をしたリュックを背負っていてそのくまが更にリュックを背負っているそのリュックだけにものが入るようになっていたりする人を見ると、状況を言葉で説明することの限界を感じるとともに、ささいなこととはいえなんで世の中こうなっているんだろうと、不思議になる。

もとい、これらの現象が「日本的」と感じることはまだ十分な分析ができていないので、考えていきたいと思う。フリンジなことに走る、というだけでは説明しきれない、DNAに組み込まれているかのようなある種の情熱、あるいは狂気めいたものを、感じるんだもの。

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