何を見ても何かを

“I Guess Everything Reminds You of Something”というのはヘミングウェイの短編集のタイトルで(高見浩氏による邦題は「何を見ても何かを思い出す」)、以前このブログにも書いたことがある。実際、モノがある瞬間それ以外のモノに見えてくる時・状態が必ずあるのは何か創っているととてもよくあることで、しかしそれにも関わら毎回すごく不思議な感じがするものだ。紙だって黒いつやのある塗料で厚く塗っていくと漆器に似てくる。絵具によるデカルコマニーで水が踊っているような図像が現われる、アルミ箔が湖面や、あるいは光そのものに見えてくる。こう書くとたまたま風景のように見える模様のある石のようなもので、あたりまえみたいに聞こえるかもしれないけど。

別々のものごとを、閃光のようにある共有の「質」が貫き通す。

そういうことが起こりうるのは、何を見ても何かを、とはつまり、すべてがつながっていることを思い起こさせる、という、自分にとってはそういうこと。

同じカテゴリーの記事

  1. 「集中」の理想的形態~ダビデ

  2. アートがわからない、は一種の文化である

  3. 見ればわかるということ

  4. 水を味わうということ

  5. 否定

  6. 巧妙なる悪癖システム

Blog「原初のキス」