エア思考

思考ってみんなエアじゃないのか、といえばそうでもないのであって、頭の中で漠然と「時とは・・・」と抽象的に想いをめぐらすのと、時計を眼の前において、「さて、でかける前の20分を何に使うかな」と考えるのとでは、同じく脳による思考作業と言ってもその性質において天と地ほどにも違う。

さる著名な美術家の方が、「対象なき思考なんて思考の名に値しない!」と明言した瞬間を自分は目撃したことがある。かのフランシス・ベーコンも、「絵のイメージは頭の中に次々現れるけれども、問題はそれをどう現実化するかということなのだ」と言っている。

んー、この文の主旨においてベーコン発言は少しずれたかもしれないけど、もとい、思考というものは、それに関連する事物や現象が実際に目に見え、手で触れられるような状況のほうが、質的に、つまりは実用性という観点から、上になるんじゃないか、というのが、自分の仮説である。

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