インプットとアウトプット

アンディ・ウォーホルの言葉に、「絵は(制作者が制作過程において)、判断を重ねれば重ねるほど悪くなる」という主旨のものがある。

一方絵を描くとき、作家は通常絵をよりよいものにするため絶え間なく判断しているように思う。だからこそこの言葉は面白い。

現実と矛盾するようでいて、これは非常に微妙によい絵が結果として生まれる過程に言及しているように感じる。自分なりに解釈するなら、創るとき(手を動かしている瞬間)は一瞬たりとも考えるな、ということ。絵画技法なり美術史なり知的インプットはできる限り大きくしておくのだけれど、それを理性ではなく肉体的に出力することに注力したい。知的理解や情報の頭の中での確認や反芻や参照は、出力時においては、単に質と速度を減衰させる障害でしかない。

 

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