知人と食事していた際、隣のテーブルの30代女子二人組のうち一人が、ほぼずっと靴を脱いぢゃってる…。足は靴の上にのっけたり、時に両方擦り合わせるなど動かしたりしていて、自分はそれが、きれぎれ聞こえてくる仕事や恋愛がどちらかといえばうまくいってないばなしを相互にし合い相互に慰めあうというよくある女子連の会話展開よりなにより気になって仕方なかった。そこでレストランを出た途端に知人にそのことを持ち出し、「あれ、男子が見たら百年の恋も醒めるよねー」と言うと、知人も「そうね・・・」と言う。
しかしながら。偶然隣になった人をあたかも非難する体になったことに多少居心地が悪くなったのもあるかもしれないが私はふと、気づいた。これを海外の人がやるのを見たことがない。知人に聞くとやはりないという。ということは、これは一種の「日本の身体文化」の現れの一つなのだ。
殆どの日本人が日常下駄や草履を履かなくなって久しいが、でもまあ家では靴を履かないというのも関係するのか、何かしら常時靴文化圏?の方々より公の場で靴を脱ぐということに対する抑制が低いのであろう。そう理解すると「なんか気が散るなー」と感じ迷惑がっていた自分のおむずかり気分は、すっかりなくなったのであった。