東京から遠いという理由で何となく後回しにしていたDIC川村記念美術館のジョゼフ・コーネル展を駆け込みで参観。実際に見てみると、初期のコラージュから彼のキラーコンテンツであるところのボックスアート、更には見る機会の至極少ない映像作品まで堪能できる充実の展示で、東京駅から1時間直通バスに揺られたかいがあったというもの。
特に、生涯ほぼニューヨークの中だけで過ごした彼の、行ったこともない国のエキゾチックなホテルの一室を模したり、鳥や蝶などが主役だったり天文のイメージが跋扈する、地理も種族も空間も超越した緻密でリアルな箱作品には、驚愕するしかない。
この展示では、彼の「内気な変人」と言う一般的なイメージに逆行する多彩な交友録~人からもらったり人に宛てた手紙など~も多数展示されているが、それでも結局の処非常に内向的な人間だったという印象がその作品から残る。いいではないか内気でも。内気のエネルギーだって宇宙まで飛ぶことができる。
ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ
DIC川村記念美術館 6/16まで。