「肉の波」はまだ・・

先日知人と人形町に夕食に出かけた。なかなか味のある風情の飲食店がたくさんある。歩いて物色しているうちに知人が、「肉の波がまだ来ていない。」と言った。

確かに、自分がよく出没している恵比寿だの新宿だのといった街は、もう肉の波はとうの昔に到達していてジャブジャブになっており、飲食店の多い所で周りを見渡すと赤い看板が目立つような気すらして、なぜなら肉を供している店が異常に多いからである。人形町は比較にならない位、動物性たんぱく質としてはお魚を扱っている店が未だ主流だ。知人の言う処の「肉の波」はいつ頃、どの辺りから生じ、そして今はどこまで到達しているのであろうか。人形町はまだだが、銀座には確かに届いている。

これはアートには直接関係ない話ではあるが、状況をしかるべく受け止める人間の「感覚」には十分に関係がある。そしてアートとは人の感覚という機能に関連する一つの超ニッチな市場なのだ。

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