災厄と翻訳:ウォルター・キャリントン「Thinking Aloud」

西欧ではよく知られ、100年の伝統ある「アレクサンダー・テクニーク」は、音楽家や俳優、スポーツ選手の技能向上や一般の人々の健康推進などに役立てられてきた、心身の使い方を改善する身体技法です。その著名な教師、ウォルター・キャリントンが、教師や教師になる人々に向けて語り掛けた内容が収められた書籍「Thinking Aloud(邦題未定)」の版権を取得して翻訳しています。本年6月末までに発行の予定です。

偶然が関与した個人的な事情に過ぎませんが、東日本大震災の時に技法の創始者F.M.アレクサンダーの「生きている上で変わらないこと」(The Universal Constant in Living)を訳していました。そして今コロナ禍の中でウォルターの本を進めています。

何かが自分にとって最も助けになる時、それは自分を助ける力をまず自らの内に育てることを助けてくれるものだと私は思います。
アレクサンダー・テクニークは心身の自己統制とセルフケアの、厳密かつ実用的な美しいメソッドであり、使う人が生活において何をしたいか、やっているかに関わらず(だから私は美術制作にも適用します)「自分で自分を助ける」ことを助けてくれます。

テクニークが心理的な困りごと、例えば恐れに対する強力な解毒作用を発揮することは珍しくなく、私自身しばしばそれを体験してきました。皆が多かれ少なかれ恐れている今、例え知識・文章やオンラインといった形であってもその提供できる価値は益々大きいと感じています。

(本ブログ内のアレクサンダー・テクニークに関する記事は、以下に表示されています。)

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