10日位前だったか、寝ようと思ってベッドに入ると、窓の外のずーっと遠くの方から、地鳴りのような不気味な音が聞こえてきて、それがうねりながらだんだんだんだん大きくなる。
1分程聞いていてもなりやまず、ますます大きくなってきて、地の底というか天上から巨大な何かが「降臨」という雰囲気がかもしだされてきたため、激しく胸がどきどきしてきた私は、がばっと起き上がってテレビをつけた。ハルマゲドン的なことが起こりつつあり、今世の中たいへんなことになっている(可能性もある)のではないかと思ったのだ。
だいたいこんなにどきどきしてたら、何が起こってるのか確認しないと寝れないし。
テレビには、「都内に強風注意報」と出ていた。
窓を開けてみたら、目の前の東京都保存樹木の桜の葉っぱがいつもよりは少し多めにさやさやと揺れていた。風はまだ遠くの方で強くて、こちらはこれから強くなるのか。
私がハルマゲドンの妄想に使ったエネルギーは何キロカロリーくらいだったのだろう。それから音はどんどん大きくなったが、まるっきり気にならなくなり、その夜は安心してぐっすり眠った。