G-tokyo 2010

知人の敏腕経営コンサルタント氏を伴って、「G-tokyo 2010」(六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリー)へ。東京拠点のコンテンポラリーアートのギャラリーがそれぞれの代表的取扱作家の作品を展示・販売するアートフェア。

ゲルハルト・リヒター、トーマス・ルフ、山口晃、サイトウマコトの作品が(個人的には)ツカむ。その他感想としては、外国人来場者が少ないこと、リヒターの葉書大写真の上にペインティングの作品350万円は国際流通価格は知らぬが随分と高いものなのだなあ・・等々。

コンサル氏に何がおもしろかった?と聞くと、山口晃の「柱華道」とのことであった。

確かに、電柱を華道の場になぞらえ、架空のお作法に則り美的に表現した作品を見ていると、小笠原流という古式の礼儀作法をかつて習っていた身としては(準師範のひとつ上の位であえなく挫折)、あらゆる細部に宿るお作法によって掘っても掘っても尽きない美とそれに向けた修練の地平を切り拓こうとする日本的心性はかなりリアリティがある。だって襖を開けてお辞儀して、座敷の中にいる目上の人の前に進んで挨拶する、という一連の動作の中に、心構えから始まり決められた手順、配慮しなければいけない立ち居上のポイントが100個くらいあるんだもの。でもコンサル氏は、「俺あんなに絵がうまかったら、着物の女の肩に10匹位たぬきがとりついてるとこ、バーンとでっかく描くね」だって。なんでたぬきなのかはあえて聞かなかったが、いずれにせよそれを山口氏が描きたくなることはなさそうだ。

また彼は、日本の作家は結構context-baseだとも言っていた。つまり現代日本の生活状況やら価値感やらの、作品の背景となる文脈を理解していないと、よくわからないところがあるということ。色感も独特だし、モチーフなども、そういう側面はあるかも知れぬ。

会場で書いた自分のメモを見ると、3日後には必ずや判読不能になるだろうぐじゃぐじゃの文字で、「モチーフ、色、技法、サイズ、他・・・パステル調、素材多様、大きい、集中させない、空疎、光に興味、癒し、増殖系」とある。

会場を出てから夜にかけて、どいういう訳か激しい疲労感がわれわれを襲い、「肩にたぬきが憑りついたようだー」と言い合う。夜は昭和な居酒屋で、たぬきを撃退。

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