これ俳句 ~ 内藤京平「luna o lunar」@Bambinart Gallery

3月に開催されていて既に終わってしまった展示ではあるが、アーツ千代田3331のBambinart Galleryで内藤京平氏の個展を見た。

古典絵画からのモチーフと線とドットで構成されていて、基本それ以外の要素を含まずミニマルにまとめられている。余白が非常に大きい作品もあって自分は氏の「抑制力」に感心した。自分なら余計なサービス精神を余計さが出ないように四苦八苦しつつそれでも余計にやってしまう可能性がある。

さてミニマルとは言ったが絵画は要素が多かろうが少なかろうが適確な情報密度が必要で、情報密度とは即ち脳及び視覚を始めとする身体感覚への刺激であろう。そしてどこにその刺激を感じるかということは個人差があるかもしれない。自分の場合は具象モチーフ部分がどのように作成されているのかしげしげと見つめてもよく分からないことにいたく興奮した。描画材で描写したようには見えないのだが、印刷物を貼った感じでもなく表面に蜜蝋状のくすみ・・・もしくはメディウムを混ぜた絵の具とかもしれないが・・が施されている部分があってそれが背景とのなじみをよくするとともにモチーフ部分のマチエールに深さを与えている。もしかしたらタトゥーシール的なものも利用されているのかとも思ったが、例によってどこかに書いてあるかもしれないけどそれを調べないで想像することに喜びを見出す自分には、何が正解なのかわかんないのであった。

要素極小にして深く楽しめる、俳句みたい。

展示概要はこちらです。

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