アレクサンダー・テクニークの可能性

アレクサンダー・テクニークが何ができるか、少なくともどのようなことがらにおいて、人々を助けることができる可能性を持っているかをわかりやすく説明することは、関係者にとっていつもかなりの難問だ。なぜ難問なのかといえば、それが、「何でもできる」からであり、そんなことを言ってもなかなか文字通りには受け取ってもらえないからである。

腰や肩の痛みを軽減したい人、痩せたい人、きれいになりたい人、夢を実現したい人、運動や、音楽演奏、美術制作などの芸術や、その他あらゆる技芸の向上、自分で困っている性格の矯正やそれとの共存の仕方、人間関係の改善等々、人生で出会いうる様々な課題に対し、信じられないかもしれないが、アレクサンダー・テクニークはそれを活用してみようと心底取り組むならば、少なくともやらないのとは比べ物にならないくらい、助けになる可能性が高い。なぜなら、他のあらゆるメソッドが問題を解決するため、あるいは課題を達成するために「どうやるか」を問題にしているのに対し、「どうやめるか」を問題にしているからで、そして何をやめるかというと、

意識的であれ無意識的であれ今までやってきたように、いつもと同じことをする、してしまうという習慣的反応に、風穴を開けるのだ。

「自分を変えないで状況や結果を変えようとする」、それがあらゆる問題の根本にある構造だからである。

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