好きのスケール

昔読んだ本で千住博さんが、「風邪をひいたら絵で(絵を描いて、の意)治す」とおっしゃっていてたまげた。
悲しいかな自分は寝て治すタイプで、正直絵を描くという行為そのものが好きなのかどうかすら、自信がない。

実際絵を描く人々の中には、A.絵を描くこと自体が死ぬほど好きな人、とB.絵で何かするのが好きな人がいる。
AからBに向け1から10のスケールで言えば自分は8.75位だ。
そうして人の作品を見る時に、彼らがこのスケールのどこに位置するかを勝手ながら想像したりすることは、絵の鑑賞の一つの楽しみである。

キキ・スミスというアメリカの作家が石膏で人体をかたどりして彫刻を創っていたのだが、彼女が昔、自分は人間の頭を創りたいのでなく頭で何かしたいの、というようなことを言っていたかと思う。絵ではないが当時の彼女の関心も、上記スケールでなぞらえれば、9.3位だったはず。

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