ベルリン拠点のアヴァンギャルド・ジャスグループのジョニー・ラ・マラマの曲にYour Jazz is deadというのがあって、この題のキモは何と言ってもYourなのである。個々人の解釈におけるJazzは死ぬかもしれないが、演奏者自体も聴衆もそれをとりまく社会も刻々とエンドレスに変わっていく中にあって、果たしてそれは終わりうるか、ということ(というのを、昨夜行ったイベントで当のご本人たちがおっしゃっていた)。
絵画も死んだとか死ぬとか言われて久しいが、死ぬわけないと思うのであって、それは絵画をめぐる状況が変わるというのもさることながら、そもそも絵が単に純粋に絵だったら、こんな何千年も生きのびている訳なかろう、ということである。つまり、前にも書いたことがあるけれど、我々が見ているものはほんとうは何ですか、ということ。実は窓だったり、本だったり、鏡だったりするのでないか。ワインにはついぞ葡萄の香りだけがしないというのと同様、まともな絵がその機能として単なる絵であったためしなど、ないのではないかしらん。