骨と鉄

作為なく創られたものは、美しい。
特に、自然や必要性から生み出されたもの。後者には、様々な道具や装置などが含まれる。

東京大学総合研究博物館 「キュラトリアル・グラフィティ 学術標本の表現」展と、「鉄―137億年の宇宙誌」展へ。

樹脂のようなもので継がれた頭蓋骨、箱の中に並べられた大腿骨や骨盤、石製の矢尻、超高純度の鉄の塊とそれを展示する大きなガラスケースの角をかしめている金具など、まったくもって余計なノイズのないモノたちに、いちいち萌える。人間が脳内で考える美的意匠は、これらの前ではごくささやかに見える。

稲垣足穂が、「すべての美しいものは美少年的である」と言ったんじゃなかったっけ。ぽっちゃりした美少年もいるにはいるだろうが、なかなか想像できない。

骨なんて究極のほっそりだもの。

同じカテゴリーの記事

  1. 「河口龍夫展 言葉・時間・生命」@東京国立近代美術館

  2. ボルゲーゼ美術館展 目がきらり

  3. 「感想」を確認に~「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」…

  4. 吉川民仁展@ギャルリーためながにて、急ぐ・急がないを考える

  5. Katrien De Blauwer @POST(恵比寿)

  6. 目とポロック「生誕100年ジャクソン・ポロック展」

Blog「原初のキス」