2月も半ばの今書くのもヘンだが、これまで聞いた新年の抱負の中で一番びっくりしたのは、「今年は鍋から直接ものを食べない。」というものである。
これを言ったのは当時同じ会社に勤めていたケンブリッジ大学卒のインテリ女性で、まじめかつおだやかな、きわめていい方で、30歳位で独身だった。まあいい方だからこういう抱負を述べるとも言える。彼女は、自炊したおかずを皿に盛らずに直接鍋に箸やスプーンをつっこんで食しながら、「これではいけない」と思っていたのであろう。普通そういう風にする人は、確信犯の場合が多いけどね。
そういえば最近はあまり抱負というものを宣言しなくなった。子供のころ毎年元旦の朝親に聞かれ、いいかげんなことを答えていたが、何を言ったか、実行したかどうかも覚えていない。大人になった今となっては、少なくも言ったことはやろうという心構えではいるけれど、だからこそ軽々しく宣言できなくなった、ということか。