「螺旋回 – 石川九楊新作展」

昨日は、書家石川九楊氏の新作展「螺旋回(らせんせんかい)」(神保町 ギャラリー白い点)へ。
氏は高名な書家であるとともに、書史研究家・教育者であり、書に関する多数の著書もある。

書を拝見すると、視線の運動が右上から始まるものと、左上から始まるものがある。筆跡を文字として認識すると右上に、純粋な形として捉えると左上にまず眼がいく。ちなみに一般的に絵画を見る視線は、左上から右、左とジグザグに画面の下に向かって動いていくと言われる。

右上から見始めるのは、縦書きの漢字やかなであればあたりまえといえばあたりまえだが、たとえ字の「意味」を理解しなくとも、つまり読まなくともそうなので面白く感じる。

いかなる言葉も多かれ少なかれ私を興奮させる。多くの形象は沈静させる。書は言葉でありながら、感覚や思考の静けさの中で鑑賞することができる。

同じカテゴリーの記事

  1. ボルゲーゼ美術館展 目がきらり

  2. 照りと沈み~菅野まり子「憂島巡禮」展@シス書店

  3. 流れる ~ 書家による抽象表現展@ギャルリー志門

  4. 岡上氏と「センス」~「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟…

  5. 国宝・普賢菩薩騎象像

  6. 鴻池朋子「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」

Blog「原初のキス」