犬の答え

私はうちの犬に話しかけてその答えを自ら言うという遊びをよくしているが、これは自閉しているというよりむしろ、自分の表面上の人格から少し逃れて現実的バランスを取ろうとしているのである(恐らく)。

例えばうちのチワワの千代ちゃんは随分休憩が多いんでないの、と問えば彼女は、「まさに、まさにこれが正しいんですよ、是蘭さん!」と言う。「そうかしら・・まあこっちの方がラクだから・・」程度の答えではない。つまり犬の答えは常に確信的ニュアンスが伴っている。そうやって、自分の優柔不断さを、いましめているということか。

以前、「こねこ療法」というのを書いたが、身近な動物というのは自分にとっていつもきわめて素朴に率直な存在なのであって、それは自分がなかなか発現できずに隠し持っている美点の、一種の象徴という側面を持っている。

 

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