信じることの微妙な位相

世の中には何々を信じろという言説が少なからずある。その大抵の事案について、ふ~ん、と冷たい目をしている自分がいる。何かを信じろと言っている割に、その根拠が至極希薄なことが大半だからだ。例えば人間は本質的に素晴らしい存在なんだとかいう言い方がままあるが、元々はさほど素晴らしくもなくて素晴らしい存在にしていく責任が人にはあるのではないか、というのが私の考えだ。

一方多少似た言い方なんだけど自分の美術の先生に「作家たるもの根拠のない自信を持ってないといけない」と言われた時はすぐさま納得した。

なぜならこれは自信を持つというその選択をするかしないかの意思の問題で(だって根拠に依拠しないのだから)、それがつまりは戦略的(そして名声を成したこの先生にとって恐らく経験的)にはワークするのだ、とおっしゃっているからである。

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