先日読んだビジネス書にロジカル・シンキングの限界を記していた箇所があり、そこでモテないことに悩む男性がなぜモテないのをロジック・ツリーで分析するという例があった。
推察の通り、これはもう大変に複雑な要因が掘れば掘る程深く際限なく広がっていく訳であって、自分がこの人だったらやっている内に絶望する。
全く笑えないのが自分もかなりこれに似たロジックツリー的分析を不用意にしてしまい、枝に絡めとられて何が幹だったかそもそも何が目的だったかがわからなくなるときが多いことだ。ロジック・ツリーには原因を探るWHYツリーや解決策を探すHOWツリー、要素分解するWHATツリーなどがあるようだが、個人的にはWHYツリーは殆ど使わず(これはこれで不思議)、もっぱらHOWツリーやWHATツリーが多い。こういうテーマのものをこういう技法で創らねば、などという制作のアイデアなどもこれらの類だが、化け猫みたいに9回生き返っても創りきらない位たまっており、しかも日々増え続けていて、この中の枝と小枝を5本ばかり選んでやれば人生それで充分だと思うのである。
どちらかと言えば頭の使い方が細分化かつ発散化していくのでこういうツールは向いてないかもしれない。
ところでこれまで自分が個人的に知っている立派な仕事をしている経営者の方々には皆共通点があった。
口を揃えて、「基本の状況が確認できたらやることは2つ、3つ、あるいはひとつまですぐに絞る。それ以上の選択肢は考えない。間違う可能性はゼロではないがそれでもかまわない。」というのである。どうやって絞るんですか、と問うと「直感で」とのことだ。直観はどこから出てくるんでしょうね、となぜなぜ5回のようなことを更につっこむと、「経験から」という。
つまり木じゃなくて機を見てすぐに動いて経験値を積んでいたのである。