金色の不思議と展示のご案内(2020.2.3 – 14@渋谷Bar foxy)

Zelan-foxy-DM
最近、「金色の支持体」がマイブームだ。

絵画の支持体と言えばなかなかにややこしいものであり、以前油彩の作家さんがどこかでカンヴァスの下処理についてご自身の技法をベースに教えていらして、どれくらいまですればいいのか生徒さんに聞かれ、「その上に絵が描きたくなくなるくらいまで」と仰っておられたのにはウケた。言わんとしてることがこの上なくばっちりわかる言い方だったからだ。
知人(この人も油絵)も、下地をすごーくちゃんと作ったら、あとはチョロっと何でもいいから何か載せときゃいいのよ・・、と、聞く人次第では怒り出しそうなことをヘーキで言ってた。因みに彼の創作に関する助言や意見は多々あり、いずれもがかなり言い切り感の強いものであって、この記事の最後にまとめてある。

もとい、自分が金色に凝っている話だが、金色って不思議だな、と思う。
あれ、金「色」とは言うものの本当に色なのかしら。自分の技法やイメージに合うものを求めて金色の紙を二十種類程試したが、質感も明るさも様々なのにいずれも、表面で視線がはじかれるような、あるいは吸い込まれるような、モノがあるようなないような、どっちなんだってムズムズする感じが面白い。天使が目の前に出てきたらあんな風に感じるのではないか、と、ほぼ3、40年忘れてた天使という存在について唐突に思い出してしまった。
そうして吟味して自分が最終的に選んだ紙は、高級水彩紙や版画紙、味のある和紙などもしばしばそうであるように、支持体としてもうあまり何もしなくても自立していて、現世的な言い方でアレだが、紙の持つ性質上必然的にかなり「時短」でもあるのであった。いわゆるところのカンヴァスだとそうはいかない。
天使から時短まで、話の巾が大きいが、それも金色という色の持つ懐の深さかも。

来年の展示のご案内です。

2月3日(月)~ 14日(金)
渋谷Bar foxyにて「片側の空」

主に金色の支持体を用いて、光・透明・偶然と選択をテーマに制作したコラージュ及びミクストメディア新作を展示致します。(店舗内展示につきワンドリンク制となりますので予めご了解ください。open 19:00です。)

尚、来年前半には加えて、4月14日(火)~ 20日(月)、横浜赤レンガ倉庫における「筆と腕」展(絵画・書・デザイン領域の全国の作家49名によるグループ展)にお招き頂いております。新作複数点を展示します。

付)知人の言葉集:
努力せず苦しめ
構図はおでんでいいがおでんに見えてはならない
考えてさえいれば
何を描くかは後ででいい
芸術は美しいむら
悪魔が天使に見えるまで
自分を白く
思ったようにはならないが
絵を描くとかけてお米といでる、ととく
気合いで動く
三角を描くならば

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