ユアサエボシ氏の「曲馬考」。Ginza Sixの蔦屋でやっていて見に行き、画力は素晴らしいし構想もプレゼンもコンテンポラリーの戦略的な視点からは満点と感じられる内容で、視覚的にも脳的にも大変に面白かったので自分は喜んだ。
ところが、一緒に行った知人の機嫌が悪くなってしまったのだ。
過去に生きた架空の画家の描いた絵、というしつらえなのだが、十分に過去ではない、過去の人では描けるはずのないものを描いている、と、言うのである。言ってることとやってることが違うのは許せん!と言われ、ちょっとマッチョに聞こえるが筋が通っているとも思われる意見で(ちなみにこの知人は美術方面にはかなりのリテラシーがある人だ)、一方「なんか違う・・いや、かなり違うのでは」とも思ったが、しかし反論する体力も気力もそしてそこまでの動機もなく寂しく佇んでしまったのであった。
何を言いたかったのかわからなくなりそうなのでまとめると、
多くの人、特にコンテンポラリーが好きな人々にはかなり刺激的で素晴らしい展示と思うので、見に行かれるとよいのではないか、というお勧め
そして、
「鑑賞」とはいつまでもどこまでも自由なもので、それぞれの人の立場を貫いて意見を吐露するのはよいと思う、
と、いうことである。
ユアサエボシ個展「曲馬考」
銀座 蔦屋書店 アートウォールギャラリー
7月12日まで。