女子の生命力

さほど交友関係が広い訳でもないのに、知り合いの女子の中にベッドの上が脱いだ服やなんかで満載になっているので床の上に寝ている、という人が三人もいる。彼女ら全員、実はふとんすらかけてない。冬でもホットカーペットにしているので寒くないという理由を揃って言うけれども、そもそもそういう問題ではないような気がする。

世の中的にはいわゆる片づけられない女たちだが、私からすれば片づけられないというよりそんなことどうでもいいので片づけない、とすごくハラが座って見え、内心かなり尊敬している。

この方面の武勇伝は実に想像を絶するものがある。例えば以下の通り。

・最後に掃除したのは半年前
・ふと台所に茂みができているのに気づき、よく見たら玉ねぎの成長したものだった
(なぜその日まで気がつかなかったんだろう)
・ある夜ベランダの人影に怯えたら放置していたアロエが巨大化したものだった(なぜその日まで・・)
・絨毯の上に落ちた髪の毛が層を成しているので、ごくまれに掃除機をかけると床の色が変わる
・ゴミ箱が一杯になったら紙を周りに土手状に入れて更にその中にゴミを入れていき、中身を捨てるのは年4回のみ
・思い起こせる限りずーっと洗ってない化粧ブラシに虫が孵化したあとのぬけがらがたくさんくっついていた

最後の例を言った知人は、「単にわいてるだけでなく、代がわりしてるよ、と思った」と笑っていた。家が完全に「魔窟」になってる。

男やもめになんとかという言葉があるが、男性でここまでワイルドな状況になった人の話を聞いたことがない。やっぱり女性の方が生命力が強く、細菌などにも耐性があるので大胆にこういうことができるのか。

それにしても、人の「部屋が汚い話」と「すごく忙しい話」を聞くのが大好きで、それっぽい人に会うと根ほり葉ほり具体的情報を聞き出す。
以前金融業界で超多忙にしている人に水曜日に会ったら、「今週はまだ3時間しか寝てない」と言うのを聞いて大変興奮した。

自分はそういうことは決してできないけれど、もし可能だったら少しはやってみたいという一種の憧れが、あるのである。

 

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