ふたつにひとつ

以前このブログに書いたかもしれないけど、ときおり行くブティックの店主さんが言ったことでえらく印象に残っているのが、「女は、<お姫さま>か<女中>のふたつに絶対分かれるの!!」という身も蓋もない断定だ(ちなみにこの方は賞賛すべきいいガタイをしてるけども男性)。

なぜこれを思い出したかと言うと、最近知人と007「スカイフォール」を見て、いいなあ、ダニエル・クレイグ、とどういう訳か思い、以前見てなかなかだと思ったジョン・メイバリー監督の「愛の悪魔」をアマゾンで取り寄せ、改めて見てみたのである。

ダニエル・クレイグは、言わずと知れた英国の天才画家、フランシス・ベーコンの伝説の恋人、夭折したジョージ・ダイアーを演じていて、元々のキャラ的にも立っているベーコンを演ずる英国の名優デレク・ジャコビの傍らでシブーく屈折した地道な役柄をシブーく屈折した感じで十全に演じている。クレイグ氏が007になっちゃったのはその映画の何年もあとなので、自分としては「ええっ!?、ジョージ・ダイアーがジェームズ・ボンドに??」とえらく驚愕した記憶がある。

一方それで気づいたのが、クレイグ氏は007を演じようがジョージ・ダイヤーをやろうが結局の処マッチョでかつ屈折しているということで、「マッチョで屈折している」というのが、お姫さまと女中よろしく男性のタイプのひとつではなかろうかと思ったのだ。男性の典型には必ずやヲタクが入るであろうし、肉体増強と肉欲につっぱしるアスリート系(問題発言かも・・)もあるんだろうけど、マッチョで屈折って、あるような気がするのよね・・。アントニオ・バンデラスとか、少なくとも容貌的にはかなりそう。

それにしてもいまいちキレがわるい。上述のブティック店主さんのように、「結局男って、XXとYYのふたつにひとつに完璧に分かれるの!」的な説得力ある断言はできないものだろうか・・・。

と、いうことでしばらくの間(2 分くらいだけど)真剣に考えてみた。私の結論は、男って、「雇うやつ(あるいは自分ひとりでやる人)と使われるやつに分かれる」ということである。これは実際に雇用されているか否かとは実はあまり関係がない。雇用されてても実は上司や会社の資源を、自分の実現したいことのためにうまく使い倒している人はいるのでね。

だいたい「お姫さまと女中」同じ位の身も蓋もなさになったので、これを極私的結論としておく。

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