金太郎のキャリア

金太郎といえば足柄山で熊と相撲をとってるところばかり思い浮かぶ訳で、その前後何をしていたのかさっぱりわからない。(調べてみると大人になったあかつきには坂田金時という強い武将となったとか。)

同様になぜ因幡の白ウサギが皮をはがれるはめになったか、かちかち山で泥船に何かの動物(たぬきだったような気がする、ますます曖昧・・)が乗って沈みそうになるのか、赤鬼が泣いたのはどうしてか、猫が長靴をはいてどこに何をしに行ったのか、ブレーメンの音楽隊で動物がタテにじゅずつなぎになって鳴いたあとがどうなったのか等々、お話の細かいところは、大体のところ、忘れている。

もっと微妙な例としては、小学生の頃「谷間の百合」というお話を絵入りの子供向けの本で読んだのだが、そこで唯一覚えているのは、貴族の若者が山で道に迷うかなにかして、やはり貴族の年上の女性の館にやっとのことでたどりつき、スープを飲ませてもらうというシーンだ。

最近このお話のあらすじを知って驚いたことに、原作はバルザック、ある伯爵夫人が貴族の青年と思いを通わせつつも、倫理観から彼の愛を拒むうちに彼に別の恋人ができ、嫉妬による懊悩のうちに最後は死んでしまう、

という小説であった。

それにしてもなぜこんな大人っぽい話が字の大きい、挿絵のたくさん入った子供向けの本になっていたのか今となってはわからない。
それとももしかしたらこれは私が勝手に再構成した記憶だったのかしらん。

ちなみに上述のエピソードが実際に含まれているのか否かは、まだ確認していないのでわからない。

我々の記憶は極めて選択的かつ曖昧である。記憶やそれに伴う感情などによって、ことにそれだけに依拠して、物事を判断したり行動したりするのは、危うい。その割には、日々その連続のような気がするが。

ちなみに動物たちはブレーメンには着いてなかった。ブレーメンがとても遠かったので、途中の森でどろぼうの家を襲撃したのである。

 

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