つい先ごろ終わった、上野・国立西洋美術館にて開催していた『プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光』を見に行って、遅ればせながらレビューすると、
ベラスケスは超絶すごい・・のであった。
勿論すごいからこそ生まれて400年以上たってから極東の島国で何カ月も展示される訳だが、自分なりの見方をすれば、例えば有名な「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」を実際に見ると、思った以上に後ろの丘陵地帯が粗くさっさっと描いてある。一方、馬のたてがみや王子様のソデなどの部分は極めて精緻な印象を与える。これらの落差、即ち粗密の付け方がとっても思い切りがよくてかっこいい。
特に自分はこの背景の描き方にえらく関心してしまった。普通、王様に見せるんだから「描きました、大変でした、すごいでしょ?」的にもっと描き込んで仕上げたくなってしまうのが人情ではなかろうか。こんなスカスカな感じですませておいて(でも離れて見るとすごくリアリティがある)、前景の主モチーフをばーんと前に出させるなんて、ほんとに思い切りがいいな・・。
ということで、ベラスケスのヒミツはソミツである、と個人的に見破った、今回の展示参観であった。