ある日、目黒の自然教育園で池のほとりに立っていたら、遠くの方から一匹の亀がゆっくりやってきて、濁った水の中から鼻づらを出してしばらく私の方を見ていた。
やがて来た方向に帰っていき、また戻ってきたときにはひとまわり小さい亀と一緒で、二匹で私を見ていた。
それからまた戻っていって、今度来たときはさらに小さい亀を一匹連れていた(親子!?)。
何を期待されていたのだろうか。でもあげられるものは何もなかった。
また別の日、池を見ていたら、三匹一遍にやってきた。
池には亀がたくさんいるので、前の亀とは違うだろう。
それも大中小で親子みたいだった。
が、そこではっと気づいたのである。
三匹いたら、必ず大中小になるということが。
人間はいろんなことを考えたり解釈したりしている。
実際は、池のそばで突っ立っているだけだったにしても、脳のCPUは、結構使った。