悪意を買いに

昨日はアンティークショップをはしごし、オブジェに使う「悪意ある事物」、いぢわるでいやがらせな感じのちょっとどぎついもの、を探す。

好きな要素ばかりでものを創っていると、浅くなる。女が好きな人は女を、ペンギンを好きな人はペンギンばっかり使いたくなったりもするが、女やペンギンが嫌がって逃げだしそうな要素も少量加えておく方がいい。悪意、毒、嫌味、などなどは現実では困りものだが、制作の上ではテクニカルに必要なものだと思う。

だいたい世界には、自分の見たくないものも含まれているのだから。

モノって古くなると悪意が増してくる場合が多いが、最後に行ったSieben(ジーベン)は、尋常ならざる黒い黒い世界(ほめてます)。小動物の骨、解剖図、うつろな目の人形、昆虫標本、義肢、豪奢で不気味な家具調度等々。

悪意をスパイスとして探しに行くぶんにはごく気楽だが、お店の人のようにここに一日いるのは相当な精神力が必要とされるであろう。脱帽。

Sieben

 

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