コントラスト!

先般、ある美術技法書を読んでいてふと、「コントラスト」というものが自分の思っていた以上に、絵画において非常に重要であることに、気づいたのである。

大体、構図だの色彩・明暗だの動勢だのモチーフだの質感だのと、絵には制御すべき要素がたっぷりある。これらの個々が原理的にとてもややこしいという訳ではないかもしれないが、全てが多少なり結果に影響するのだから、制作においてはこれらの全部を多かれ少なかれ相手にしなければならず、そのこと自体がかなりややこしい(という風に感じる)のである。

でも「コントラスト」のことを主として考え、感じているならば、色んな要素を一挙に一望の下にできる。構図は面積の、色は対比の・・とかあるものを、全体としてコントラスト観点からまとめて見れるわけ。

コントラストとは何か、それはつまり「差」の強弱に関する感覚だ。そうして、全ての生命体にとって、「差」を感じることは生命の存続において極めて重要な機能であろう(=原始時代から、草むらが微妙に揺れることを感知することがその奥にいる動物のことやなにかを認識するために必要だったのから)、だから「コントラスト」の一事をもって、色々なことを感じ取り次の行動をしかるべく判断することができるという、それはある意味当然のことかもしれない。

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