高校生の頃、父が車で学校まで送ってくれていたのだが、道すがらカーステレオ(テープの!)でしょっちゅう聞いていたのが、アラン・ドロンと ダリダの「甘いささやき」。
言葉だけで調子のいいことを言っている男と、彼から離れようとしている、というか少々すねつつなげいている女がいて、男は微妙に焦って(いるのかいないのか)・・・みたいなメロドラマ的シチュエーションである。
途中でドロンがくすっと笑うところがあって、そこが自分にとってのキモだった。
そこのとこのセリフは、「きみがいなくなったら、連れ戻しにいくよ・・」だったのは後年知った。
しゃべる男となげく女、と言っても、女もかなり喋っているけどね。
日本だと圧倒的に女がしゃべる。喫茶店なんかでずーっとずーっと女性がぐちっぽいこと、おそろしく日常茶飯なことをしゃべっていて、自分は女だけれど辟易することがあり、あまりしゃべらないだけで女ってもてるのではないかと確信に近い思いを抱いたりする。
もっともそのまま50年くらいは誰にも気づかれずほっておかれる可能性もある、というリスクを犯せば、もてたい女子には試す価値がきっとある。
「甘いささやき」