昨日、打ち合わせの合間をぬって、束芋「断面の世代」展(横浜美術館)の最終日をかけこみ鑑賞。
作品はもう少し数を見たかった感じだが、好き嫌いとは別に、この作家には生理的共感というようなものを感じる。女性同士だからかもしれない。線の中に自分が入れるし、吉田修一氏の「悪人」の挿画のように、人体が変形したり物品に直接つながっていたりするモチーフにも、特段の嫌悪感を抱かずリアルだ、と感じる。人体と物品の相互侵入といえばたとえば端的にコラージュ的とも言えそうなのに、コラージュの感じはもちろんしない。他者、世界からもってきた素材をぶつける、というより、それらとの出会いを通して、一旦自分の中で咀嚼し変成されたイメージの世界を、提示しているからかもしれない。
束芋「断面の世代」展(横浜美術館)