秘すれば花

ギャラリー(コンテンポラリーギャラリーとして著名なとこが多い)などで時々、展示のほぼ全景が Web で紹介されている時があり、結構興味のある作家さんで行きたいなと思っていたのに妙に行く気が削がれてしまうということがある。
もちろん自分は、マチエールだの何だのがライブで見ない限り絶対にわからないことぐらいは知っている。実際の作品が素晴らしければ素晴らしい程、その「素晴らしさの根幹」だけは決して写真には写り込んでいないこともわかってはいるのだ。でもなんだか情報として事前に全部見せられると、電車賃までは気にしないまでも行って帰ってくる時間、即ちこちらサイドのコストなど、アートと全然関係ないような世俗的事柄が頭に上って結局行かない、みたいなことになってしまうことが少なからずある。

これは最近色々な業界の事業者がこと情報についてはgive, give, give!てな感じでメルマガなどでかなりのノウハウを提供し、それは大変ありがたいのだが結局彼らのモノやサービスを買うことがないという、少なくとも自分においては日常茶飯の現象になんだか少し似ている。

もとい、ギャラリーに関しては見に行く楽しみがちょっと削がれるのでもう少し控えめに写真など提示して頂いたら個人的には嬉しいという、そういうことだ。でも今突然思いついたが、実際に作品をほぼ確実に購入する人々というのはむしろ事前に全部見えているのがよくてそれで適確に狙って行くっていう構えなのかな。だとしたら、戦略として経営的にはむしろ正解なのかもしれないが。

だってもしそうでないとすると、なぜ全部見せちゃうのかが自分の頭脳では皆目わからない・・・。

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