新古今集速読には結局1時間とちょっとかかったのだけれど(Webで見てたのでスクロールに時間がとられた)しょっぱな春のうたで気にいったのがこれ。
ふして思ひ起きてながむる春雨に花のしたひもいかにとくらむ
春雨ばっかり降っちゃって花の蕾もほころびようがないじゃないか、というのにかこつけ、寝ても覚めてもあなたのことを考えているのにちっ~ともなびいてくれない、というのを嘆いているのだが(多分)、なんとも雅な愚痴。
目や頭の焦点距離が、自然から恋心まで、すごいダイナミックレンジで伸び縮みするのがよい。
ところで、日本人がDNA的にもっとも美を感じる心持ちは「せつない」だと思うけど、どうだろう。
昔の和歌集なんて、ほとんど「嬉々として」せつながってる感じなのだもの。