右ひじ

このところ右ひじの前腕外側の筋肉が、ものを取ったりするときほんの少々痛くて、数日自分のからだの使い方など観察してみると、すべてではないにしてもひとつの重大な要因というものを発見した。

いつも使っているバッグから財布を取るとき、財布をしまっているポケットが少し小さいがために、結構力を使ってひっぱり出しているのである。

とはいえ、だいたいの場合バッグを右肩にかけていることとか(ときに左にもかけるようにしてそれに慣れるなら右側の負担はやや軽くなる)、財布を取るときにもう少し上体もその方向に向けたり、自分の場合今よりもやや親指や人差し指側に力を入れるとか、そもそもポケットの口の大きさが財布に合ったものを使うとかすればこの結果は今の通りにはおこらないであろう。ものみな因果関係の網の中にあるので、何かの条件が変われば、結果も変化していく。要はその因果関係のなにがしかに対し、必要があるときに、意識的になれるか否か、意識的になることを、選択するかどうか、ということだ。

そういえば以前小笠原流礼法というものを学んでいたとき、どうしようもないときを除いて「ものを手探りで探す、取る」ことの下品さというものを教えられたのが印象に残っている。手探りというのは目線も、体軸も、動作や動作が目的としている対象に対してうまく沿っていないことが多い。たとえばこういうささやかな動作の積み重ねで、からだはすこしずつ傷んでいく。一日とか短い単位でいえば、数ミクロン程度の変化かもしれないけれど。

そういう意味では、「大事」は常に「今」にある。

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