有閑マダム考

「有閑マダム」という言葉には心なし侮蔑的ニュアンスが伴っているが、今にして思えば自分は幼少の頃、侮蔑どころか無意識にイメージしていた理想的「職業」(?)が、まさにこの有閑マダムなのであった。

「有閑」でありその上「マダム」なら、文化的な物品/事業にふんだんな消費が可能で、自らの感覚を楽しませることはもちろん、結果として芸術家のパトロナージュの主要なプレイヤーになれる条件が揃っている。子供の頃の夢の通り有閑マダムになれていてかつ実行力があったら、全日本有閑マダム連合及びその芸術支援プロジェクト助成金付きを立ち上げたいくらいだ。(それやるとヒマじゃなくなっちゃうけど。)

でも有閑マダムという言葉自体、最近はほぼ死語の感じ。

喜ぶべき変化だが女性の社会進出や、技術革新も影響しているはず。スマホに接している時間の平均が50才以上の年代においてすら3時間超という統計を最近見て正直びっくりしたが、なんかもう(忙しい人はもちろんハナから無理でも、本当はヒマな人も)「ヒマだなあ~・・・」と所在なげに呟く精神の自由がなくなりつつある気がする。(そもそも論から言えばヒマだからそんなに長くスマホに滞留するのでは、という仮説も成り立つ。しかしさほどのスマホユーザーでない自分にはそういう仮説を口にする権利はないのである。)

もとい、もうこうなったら、「これから15分、完全にヒマにするぞ~」と気合いを入れてがんばる位がおもしろそうなのであって、今度ぜひやってみようと思う。

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