「現物」

以前「スパゲティと絵画」という記事を書いた。現物に接するのが重要という主旨である。
医療従事者でもなければ家族もおらず自営であるため元々が自宅労働という自分は、自粛生活が厳しいとか辛いとか言う権利も感覚もそもそも有していないが、美術館も閉まっているので「現物」が見られる機会が減っているのは若干悲しい。そもそも喋らず触らずという環境なのだから、入場制限や事前予約を取り入れて少しずつ解放して頂けたらスーパーより安全な感じがするけれど。

でも別に美術館が開いてなくとも「現物」がこの世からなくなることはないのだからこれにしたって特段に苦しいという訳でもない。良い気候で窓を開けているがために窓の側で青々と茂っている桜の木で鳥が盛んにピーチクパーチクしている声が聞こえたり、これもまた窓を開けているせいかと思うが床の上の自分の描きかけの絵の上に一匹のアリが這っているのをみつけたりという、これだって現物で現実の感覚的体験で、面白い!と思って感動しているのである。

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