欠けたもののちから

美は細部に宿るという。

確かに、美しい人の顔などを見ていると、長いまつ毛とか、すーっとした鼻梁とかに一瞬で吸い込まれるように目が行く。
それは、「全体(個々の細部相互の関係性やその統合的な印象)」が我々の感覚の集中力を損なうことがないということだ。

だから、美が細部に宿るというよりむしろ、全体において感覚が自然に細部に導びかれるときその邪魔をするような「ノイズ」が、「欠けて」いるということなのである。

 

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