つじつまを合わせようとしたとき、絵は死ぬ。
つじつまとはつまるところ人間の都合だが、絵は自然の原理に沿って動いているから。
絵の都合が一番大事で、自分がこのモチーフが好きとか、疲れたとか面倒とか、「美」が現れる前にとりあえず作品として「成立」させたいと焦ったりとか、そんなのまったく関係ない。
ものを創る人は、基本このことはよくよくわかっていると思う。でもわかっているつもりでも違う思いがすべりこむのであって、いつの間にか自分の都合を優先したりしている。
わかっていてもできないあるいはやらない、このことが私にとっては大きな謎で、それを解明することは、制作をやる重要な理由のひとつだ。
なぜならそれがはっきり見えたならば、自分の制作物のみでなく人生全般の質が、格段に向上するはずだと、わかっているから。