絵画史上最強美女

女の恋人をつくったことはないが、女にほれたことはある。

会社に勤めていた頃、PCのサポートに来てくれた女性が、設定のためにデスクトップPCをさくっと持ち上げてひとりで運んで行ったのに素敵だなあ、と強い印象を受け、たまたま翌日彼女を食堂で見かけたときに、すごくどきどきして、かなり本気で好きなことを自覚した。

あと、指揮者の西本智実さんの容貌が好きで、テレビなどに出ていらっしゃると、思わず目を皿のようにして見いってしまう。

前置きが長かったが、カルロ・クリヴェッリ(伊 1430-1495)の「マグダラのマリア」が大好き。
マグダラのマリアと言えば悔い改めた娼婦、キリストの恋人とも目される女性で、いわば女性原理の代表選手のような方。

クリヴェッリの描いた彼女の、とかげのような冷たい眼、むしろ絶対に悔悛しそうにない生意気な面差し、宝石をつけたうねうねの長い髪、でもすごく頼りなくて悲しげで助けを求めているような雰囲気(実際頬に涙が流れているみたい)に、大変にときめいてしまい、図版を見て何日たっても彼女の顔がちらちらする。

まったく私見であるけれど、彼女に絵画史上最強美女の称号を、与える。

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