東京藝術大学で音楽家の不調の防止や表現力の向上に関する教育にも用いられている、身体技法のアレクサンダー・テクニーク。先日その世界的に有名な教師の一人であるJeremy Chanceの話を聞いていた時、「何かを「感じよう」としているときはほんとうに感じることはない、つまりはその状態は、感じるということについて「考えて」いるにすぎないのだから。」と言ったのでびっくりした。びっくりするもなにも、アレクサンダー・テクニークに公私共にかなりの間関わっている自分はこのことは知識としては知っている、でも改めて聞くと、なぜかとてつもなくはっとするのである。
単なる知識と、ふとした瞬間にはっきり認識する、あるいは常にしっかり認識していることとは違う、さらには、明確に腹に落とした上での「実践」となると、これらはすべて、それぞれ別の次元にあるといってもいい位異なった事象だ。もちろん別に身体技法でなくとも、芸術だって同じこと。