そごう美術館 「エッシャー展」へ。
受付で鉛筆を借りて、見ながら50個程絵のアイデアなどメモした。それ位脳が活性化する。
ものが他のものに組み込まれて一体化していたり、透き通って奥のものが見えていたり、何かに映っていたり、すべてに焦点があたっているような視覚の感じなんかもすごくいい。
エッシャーは特に、図版ではなく実物を見るべき。
もともと私はエッシャーがさほど好きではなかったが、それは一見図版でもよさそうな、意匠的なアイデアで組みあがっているグラフィックスのように思っていたから。
しかし実物を見るとそうではなく、自分の頭の中の観念であれ、自然や社会であれ、現実を直視して発見した真理の表現であること、頭の内と外との一種の「写実」であることがよくわかる。
この展示はおもしろくて、中ほどに周辺作家の一角があり、そこには版画の師のド・メスキータや、エッシャー夫人のイエッタを含め数人の作品が展示されているのだが、エッシャーの作品に前後を挟まれていると、哀しいかな感覚の「休憩」みたいである。
芸術は、純粋にその機能に着目するならば、やはり「感覚の集中装置」なのだなあ。エッシャーはそのお手本みたい。
「迷宮への招待 エッシャー展」 (横浜そごう 16日まで)